チンギス紀 (二) 鳴動

つづき。

二巻はまさに鳴動。大きな音を立てて物語が動き出した感じ。

テムジンは、故郷に戻ってホエルンや兄弟たちと一致団結。タイチウト家(タルグダイ・トドエンギルテ)に取られたキャト家の仲間たちを取り戻すために、旧キャト領地を旗をかかげて疾駆。「あのテムジンが生きて帰ってきた」ことを知らせるとともに、チルギダイに代表されるテムジンのファンを取り戻すことに成功。

このタイミングで、クビライノヤンと出会う。クビライは弓の名手で、凡人では考えられない飛距離を針の穴を通すように命中させる能力がある。槍のジェルメ・弓のクビライ、アツい。こういう感じで、強い奴がテムジンのカリスマ性に惹かれて仲間になっていく展開が、とにかくアツい。

テムジンはその後も旧キャト家領地で百人隊長のゲルを巡回し説得して回る。これが奏功し、あっという間に1200人規模となる。それでも、タイチウト・タタルの軍勢には全く及ばない。

ジャムカとの出会い。
同じモンゴル族でジャンダラン家の長ジャムカと仲良しになる。ジャムカはテムジンと同じ14歳にして、一族の長であり、その軍勢はキャト家(テムジン)よりも多い。テムジン同様にカリスマ性があり、仲間から超絶信頼されている。テムジンとジャムカは互いに近しさを感じ、いっそう距離を詰める。同盟・親友状態。このシーンもアツい。

テムジンの敗北。
その後、テムジンはタイチウト家に呆気なく負ける。タイチウトは、テムジンの母ホエルンが住む営地に押しかけ、「テムジンを出せ」と脅す。抵抗するホエルンに、ラシャーン(タルグダイお気に入りの大女)が反射的に切りかかる。すかさずカチウン(ホエルンの息子、テムジンの弟)がホエルンをかばって体を真っ二つにされる。
あとでこれを知ったテムジンは激昂。タイチウトのタルグダイとトドエンギルテをぶっ殺しに行くが、勢力が違いすぎるかつ無謀な突進で負けを喫する。クビライとジェルメの奮闘で一命を取り留めるが、300の兵士と愛馬であるサルヒを失う。

体制の立て直し。
ボオルチュは金国へ行って、鉄鍛冶ができる職人を連れてきた。彼らも今後テムジンのカリスマ性に惚れていくに違いない。敗戦を期にテムジンをあきらめた部下たちが多数いるかと思いきや、むしろここで生き残ったことに対する天命感・カリスマ性でより人が集まりだしている。
器用に立ち回るだけではない、仲間への愛と我を失った激昂は、ある意味ではテムジンの弱さ・人間らしさでもあり、そこを応援したい仲間たち。

あと、ボオルチュの成長も嬉しい。テムジンを戸惑わせるようなボオルチュの成長。2巻にして役者がそろってきた感があるが、このあとは戦いばかりではなく、武器づくりや交易の要素が強くなってくると思われる。楽しみ~

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