チンギス紀 (一) 火眼

超面白くてほぼ一気読みした。北方謙三節がさく裂してる。17巻まであると思うと相当な楽しみ。登場人物や地名が複雑すぎて時間を置くと忘れそうなので振り返っておきたい。

主人公のテムジン、のちのチンギス・カン。14歳で家出するところから描かれる。家出の理由は異母弟のベクテルを殺したため。殺しの理由は、「家族の食料である魚を独占したから」ということになっているが、実際には別の理由がありそうな描写から始まる。

テムジンの父、イェスゲイ。敵対部族のタタル族に殺された。イェスゲイはキャト家の長でモンゴル族を統一できる器量があり、同じモンゴル族のタイチウト家、ジャンダラン家等を従えていたが、イェスゲイ死後はキャト家の力が弱くなり、かつ跡継ぎとして期待されたテムジンは弟殺しちゃうし、一家は影響力を失った。

居場所を失ったテムジンは、これ以上家族を巻き込まないために家出した。という流れ。

南に向かう道中、輩に襲われるも持ち前の腕っぷしで相手の首を切り落とす。そこで出会ったのが輩に奴隷として仕えていたボオルチュ、10歳。以降テムジンの弟子になって二人旅。

さらに道中、ソルカンシラという商人に出会う。敵かと思いきや良い奴だったらしく、数日野営を共にし、ボオルチュに馬をくれると言う。義理堅いテムジンはこれを断るが「いつか返しに来い」と約束してこれを受け入れる。また、ソルカンシラから「金国の大同府で蕭源基(しょうげんき)に会え」と言われる。で、金国を目指す。

金国で無事、蕭源基に会う。書肆(しょし)と妓楼(ぎろう)を経営しているらしい。突然働かせてくれと門をたたくが、「じゃあ饅頭一個で1日働け」と言われ、すぐに逃げ出すかと思いきや二人ともモリモリ働いて、蕭源基に認められる。良い部屋と良い食事を与えられるようになる。また、働くだけではなく、文武をここでさらに磨くことになる。金国はこの時点ですでに貨幣経済もあって書物もたくさんあって、北部とは文明レベルが違う。

蕭源基の右腕っぽい泥胞子(でいほうし)とも出会う。テムジンは蕭源基に、ボオルチュは泥胞子に仕える。

こうしてる間にも、キャト家は他部族からも見放され、タタル族にも脅され、孤立無援状態。
テムジンの母であるホエルンはそれでも辛抱強く家族を支え続ける。そこにジェルメという旅人登場。キャト家一家は警戒して、テムジンの弟たちがジェルメを取り囲むも、それを一蹴する強さを見せつける。ホエルンはジェルメを説得して仲間にする。ジェルメが何者なのかいまだによくわからない。

ジェルメはその後ホエルンの信頼を得て、テムジンの代わりとなって兄貴的な存在となり、カサル(テムジンの弟①)とベルグティ(テムジン弟②)を鍛えまくる。ジェルメは二人が殺意を抱くほど追い込む。だけどジェルメは圧倒的に強すぎて二人では殺せない。

そうしているうちに夏が終わり、テムジンとボオルチュはしょうげんきの元を去ることにする。いよいよ北に帰る。テムジンは有力家の長氏で弟殺しの有名人なので、道中では多くの輩や他部族に狙われることが想定される。ボオルチュは金国にとどまるよう諭すが、ボオルチュはテムジンのために死にたいと涙の訴え。二人そろって北に向かう。

無事家族のもとに帰り、このあとモンゴル族の統一に向けて動き出す。ところで一巻終了。

登場人物みんな格好良くて超おもしろい。

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