って、言ったら周囲がドン引きしてた。
というのも、先週の金曜日、8月16日。都内は台風による警報オブ警報で前日から大盛り上がりだったので皆々在宅勤務だったわけだが、僕はわざわざタクシーを呼んでまでオフィスに出勤した。
そもそも、昨今の天候・天災のメディアの大騒ぎはPV稼ぎにしか思えず、「ネタがつきて困ってんな」くらいにしか思ってないのだが、そればかりではなく、オフィスで仕事をするのが好きだし、警報発令時の非日常感みたいなのも好きなのでもったいなくて引き籠もっていられませんよと。
そんな話をしていたら、「帰りはどうしたのか」と聞かれ、「ずぶ濡れのなか傘もささずに踊りながら帰ったよ」と言ったら、ドン引きされた。
これは、「雨が降ったら傘をさす」という常識かぶれの大人たちにはぜひ実践してほしい、手軽にできる非日常快感ルーティーンだ。
真夏に豪雨に打たれながらビショビショになって外を歩くのは、控えめにいって最高に気持ちいい。そもそも夏は暑いんだから雨に打たれようよ。どうせ帰宅しちゃえばシャワーしてスッキリできるし、洋服は洗うだけだし、スマホは防水なんだから。(普段カバンを持ち歩く人には難しいのかもしれんが)濡れて困るような所持品もないのだから。
歩き始めは少しベタついて気持ち悪さもあるかもしれないのが、びっしょりになると開き直りから気持ち良さを自覚して、無敵になる。自然と一体化し、傘をさして雨を避けている人間たちがとてつもなく愚かに見えてくる。
傘をさすと「濡れたくない」という執着が起きる。この執着はどうせ裏切られてちょっと濡れる。ちょっと濡れたときのベタつき感が超不快。その不快感で歩き続けてストレスが蓄積する。だったらその不快の向こう側に行けと。そういう考えってワケ。
もちろん、その日後続の予定があるタイミングでは実践できないが、帰宅してシャワーできるという条件においては、「とにかく濡れろ、どんどん濡れていけ」は、もはや人生のスローガン。傘で雨をしのいだところで不快指数が溜まるなら、いっそ飛び越えて気持ちよくなれ。
歩くときは踊るように。水たまりを見つけたら童心に返って飛び込むように。