東京防災・東京くらし防災が届いた。めちゃくちゃ立派な本で、これが東京都内全世帯に配布されたのかと思うと恐ろしい予算規模。だって700万世帯よ。
こういう政策的な事業は特に、その事業計画や予算編成過程を公表してる場合が多いので、HPから調べてみた。そして見つけた。32億JPY
大体、人口数千人の自治体の一般会計当初予算と同じ規模。恐ろしい。すでに出版されている防災系の本を配ったほうが安いのでは?とも思えたが、700万世帯で割ってみると1冊あたり約450円。企画や配送等の諸経費も含まれていると考えれば、随分安く実現できたのかもしれない。(実際のところは決算書を見てみないとわからないが)
紙・物理である必要があるのかという議論はありそうだ。たしかに被災後のことを考えれば紙は助かるが、どちらかといえば事前の備えが書かれているわけで、被災してからさぁ読みましょうという本ではない。防災ってそういうことじゃない。
「東京都防災アプリ」「東京備蓄ナビ」とかデジタルも結構充実してるわけで、東京都の防災事業におけるこの本の位置づけがピンとこない。カバー範囲は同じで紙を準備しましたって感じなのだろうか。あるいは「改訂版」とあることから、古くなったから作り直しましたという程度なのか。物理であるがゆえに改定するたびに配布が必要で、同規模の支出が必要になる。
内容的には、東京ナイズされている部分も見受けられるが、防災一般論に終始している感じを受けた。事前に読んで備えておけというのは、おそらくほとんど通用しない。開けずに捨てられるか、開けてペラペラめくって棚にしまうか捨てられるかのどちらかだと思う。
今めちゃくちゃ防災機運が高まっているなかで、じゃあどんなものだったら欲しいかを考えると、「何の備えもしてなかった情弱が被災後に取るべき行動マニュアル」かな。
防災ブック、気持ちはわかるけど誰も事前には読まんのよな。