日曜日の朝は、「朝市」というものがあった。毎週だったか定かではないし寒い時期にはなかったと思うのだが、春・夏はたぶん毎週あった。そう、あれはたしか農協の倉庫前だったと思う。
朝市の日の朝は早い。まだ薄暗い早朝からお店にいって、市場に並べる品物を準備する。母は主に野菜や果物を、父は生鮮を準備していたと思う。僕は生鮮のすじこをパッキングするのが好きだった。父がすじこをトレーに乗せ、僕が業務用ラッパーみたいなのでパッキングする。
その現場に兄や弟がいた記憶がないので、準備のお手伝いは僕だけだったのかもしれない。
家庭用のラップと違って業務用のラップは、ものすごくトレーに吸着してくれて、その感じが好きだった。1パック500円だったと記憶している。市場ではこのすじこのパックが飛ぶように売れた印象がある。
あの朝の澄んだ空気が好きだったんよな。当時の農協倉庫前をストリートビューで見に行ってみた。
30年前と変わってない。柱は錆びて老朽化しているものの、まぎれもなくこの屋根の下で市場が展開されていたんだ。懐かしい。