媚びない店員が必要な時代

モノを売るか、体験を売るかで随分と違いはあるものの、お客に媚びない・無駄に遜らない・過度な接客をしない店員が求められる時代になっている気がする。

毎回の「いらっしゃいませ」いらない。
目が合ったら「何かお探しですか?」もいらない。
「ありがとうございました」のお見送り、いらない。

最近の特にコンビニ・スーパーの現場はほぼ外国人労働者に切り替わっていて、いちいち接客に力を入れていない感じが、むしろ僕をリラックスさせている気がする。逆に、日本人の店員が張り切っているコンビニやスーパーに入ると、こちらも気が張り詰めてしまって疲れることすらある。

もしこの感覚が日本人の多数派だったとしたら、いよいよ「お客様は神様」的なクソ文化を終わらせることができるんじゃないだろうか。無論この言葉の捉え方はいろいろあるので、その抽象度で語ることにいささか危険を伴うことは理解しているわけだが。

一方で、レストラン等食事に代表される体験を売る現場では、よりお客に合わせた機微な対応が必要になっていると感じる。高級レストランも安いチェーン店も、味そのものの違いはなくなった。いやむしろ、チェーンオペレーション・データに基づくメニュー開発は高級レストランの味を超え始めている。

そうすると、高級レストランの生きる道は特別な体験に舵を切っていくしかない。つまり、この食事だったらこのワインです、この肉だったらこの火加減です、目の前で調理してみせますとか、味だけではなくサービス全体のクオリティを上げるしかない。

都心は本当にこの二極化傾向が強い。コンビニ・スーパー・量販店は、お客を無視した圧倒的に事務的な対応がむしろ気持ち良い。逆にレストラン・ホテルの接客は味というよりはサービスで勝負してるのを肌で感じる。

この傾向、今後も続いてほしい。

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