独り言が減った。
僕は、車に乗っているとき、バイクに乗っているとき、常に独り言をつぶやいていた。だが、最近は車にもバイクにも乗らなくなって、明らかに独り言が減った。運転中の独り言ってのは、ほとんどは仕事のこと・これからの人生のこと・この世界への疑問や愚痴だったと思う。
それらが何となく思考の整理やストレスの緩和につながっていたことは間違いない気がする。その意味では、運転中にこだわらず自宅でこの習慣を再開したいと思ったりもするわけだが、なぜかうまくいかない。
なんとなくだが、自宅は気が散る要因が多すぎる気がする。PC・スマホ・本・体の自由・お酒・食事、こういうものが邪魔をして、真剣に一人で考える時間を持てていない。自由は思考の邪魔になる。
その点、運転中は運転以外何もできない。だから考える。もちろん慣れない道ではそうもいかないが、せいぜい通勤程度であれば思考リソースはほとんどの場合で自由だ。独り言は効率的だった気がする。アウトプットがインプット・インプットがアウトプットみたいな感じだった。自分の口と心がキャッチボールするような。
例えばとある業務においてインシデントが発生したとして、障害事象・今回対応・根本原因・恒久対策のように報告書を作ったとして、その時点では一定納得感があったとしても、数時間後家路をたどる車中で一人で考えると「あれって本当なのかな?」と自分が自分に語り掛けるみたいな会話が始まって、別の世界線を考えるみたいな感じ。脳内検証することで、記憶が定着するし、自分だけ二度おいしいことになる。
現職も基本的に考えることが仕事なので、どこかで独り言を増やせないかと思案中。