感情や言葉のリスク管理

ノートPCのキーボードにフィルムを貼っている。理由は単純で汚したくないからだ。
キーボードにホコリが溜まったり、それがキーの隙間に入ったりすると、見た目も性能も低下する。また、万が一食べ物や飲み物をこぼしてしまった場合に備えているという点もある。

数日前に、とある喫茶店にてその万が一が起きてしまった。しかも、僕が離席して目を離した一瞬で、それが起きてしまった。気づくと僕のPCはコーヒーまみれになっていた。

近くにはどうやらこぼしてしまったらしき人が慌てて拭いていた。僕もかけつけて出来る限りを尽くした。幸いにして先のフィルムがキーボードを守ってくれて事なきを得た。

何があったのかわからなかったが、きっとこの人は僕に事情を説明してくれるか、あるいは謝罪してくれるのだろうかと待ってみたが、なぜかニコニコとこちらを見るだけで、言葉を発することはなかった。僕は、(おかしい、謝るだろ普通)と感情の高ぶりを感じた。

ひととおり拭き取ったあとで説明を求めかけたが、事情がわからないので一旦言葉を飲み込んで相手を観察した。すると、何か言おうとしている(か、または言っている)ように見えたが全く聞き取れない。ほんの少し音は聞こえるのだが、どうやら聞き取れる言葉ではない。

僕は、この人が言葉を喋れないことを理解した。それとほぼ同時に相手も謝るような仕草(あれは手話だったのかな)をした。僕は「もう大丈夫ですよ」とその場を収めた。

アンガーマネジメントの6秒ルールではないが、一旦待って観察してよかった。感情を表に出さないことが最大のリスク管理。泣いたら悲しくてもっと泣いてしまうとか、怒ったら過去の出来事も思い出してさらに怒ってしまうといったことがある。

相手を特定できる形で思いつきや感情だけの発言をしない。今後も継続したい。

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