幽霊と心の余裕

僕は、幽霊を信じることがどうしてもできない。
「どうか僕のところにも現れてください」と何度思ったことか。

最近、心霊現象を信じることができる人がもつ共通点を見つけた。
それは、開放的で柔軟な思想を持っているということ。

僕は、科学がすべてだなんて頭の固い発想はしていないつもりだ。
ただ、地球の歴史から考えれば、生きてる人より死んだ人のほうが遥かに多いはずなのに、それでも僕の三十数年の人生で幽霊に出会えないということは、さすがに信じられない。いるんだとすれば、うじゃうじゃいるはずだ。

それを認めてしまったら、神の存在、風水、オーラ、占星術、因果応報みたいな概念をすべて認めることになる。僕にはそのような心のキャパシティがない。

結局のところ、幽霊が見える人、目に見えない概念を信じられる人というのは、開放的で柔軟な思想を持っている人、言い換えれば心が豊かで余裕がある人なのかなと思う。

宗教も同じで、どっぷりハマって一見すると「余裕がない人」に見えなくもないがそれは経済的な困窮であって、本当に心に余裕がない僕のような人は、自分以外の何かを信じることができない。すべては疑いの目で見て、他人を信用できず、人を愛でる余裕がない。

科学がどうとか言う以前に、心の余裕がないんだと気づいた。仮に信じる派を論破できたところで心が貧しいんでは救いようがないな。

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