不思議な光景

昨晩の帰りの新幹線にて、自分のスーツケースを荷物棚に持ち上げることができず悪戦苦闘している女性がいた。僕はジェントルマンを気取ってお手伝いしてあげた。

しかし、考えてみれば不思議な光景だ。

まず、一人で持ち上げることができない荷物を持ち歩いてることが不思議でならない。いくらスーツケースとはいえ、万一コロコロが壊れたらその時点で詰む。自分の体重くらいの荷物は持ち上げたり取りまわしたりできるようになっておかないと、旅1つ満足にできない。
持ち上げられない荷物を運ぶって、僕だったら2ドアくらいの冷蔵庫を運ぶようなもの。正気の沙汰じゃない。

次に、自分で持ち上げられないことにいつ気づいたのだろうか。少なくとも自宅をでて駅に着くまでの過程では気づいてるはず。気づいてるのだから、最初から人にお願いするべきだろう。中途半端にトライして怪我でもしたらその時点で詰む。あるいはもっといえば、そのスーツケースを買う時点でわかるはず。70~80リットルとかだと、たくさん入れたら自分では取り扱えないなと。

最後に、上げちゃったら自分で下せないのにそれでもなぜ上げたいと思ったんだろうか。降りるときに手伝ってくれる人が現れなかったらどうするつもりなんだろう。上げることはできなくても下すことはできる場合もあるだろうから、そのつもりなんだろうか。

案の定その時がきた。怖くて見てられなかったので僕が対応した。「ぼくやってもいいですか」と願い出るようにして。なにこれ。

欲しいから買った、入るから詰めた、来たから乗った、邪魔だから上げたい。こんな感じで後先考えず行き当たりばったりなんだろうね。確かに大人でもたまにいる。そんな感じでよく今まで生きてこれたなみたいな人。武器:愛嬌(一択)みたいな人。ちょっぴり羨ましい。

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