ストレス「解消」は良くない

ストレスは、「解消」するものという固定観念、強い。

平日は嫌な仕事・嫌な職場・嫌な人たちと働いて、週末に発散する方法を考える。
週末のためだけに生きる、週末の奴隷と化す。

否、ストレスはどうやら「発生」させないものらしい。これほどまでに、ストレスを「解消」することに力を入れるのは日本特有らしく、欧米(列強)はその要因を取り除く方向に力を入れるらしいのだ。

ビジネスの現場では、大人ぶって「根本解決が大事」、「暫定対応はダメ」なんてことを威風堂々発表するのが僕たちビジネスパーソンだが、ストレスの発生要因だけは根絶やしにせずせっせと育てては、週末に刈り取るのがなるほどどうして大好きらしい。

根底にあるのは、義務教育で徹底的に叩き込まれた、忍耐・我慢・辛抱・努力・根性・自制・自己犠牲といった古き良き精神。これに疑問を呈すれば、怠惰・逃避・横着・不出来・不真面目のレッテルが貼られるのだった。

しかし最近は明らかにこの流れが変わってきていて、勉強の仕方も、目指す方向も、服装や髪形といった主義・主張も、1つの枠に当てはめようとする考えは随分と薄まってきている。
そうした個人の価値観・意見・主義・主張が尊重される世界観は徐々にだがしかし確実に、社会(という名の虚構の世界)にも浸食してきている。
ストレスは「解消」するものである僕たちには理解できない、新卒で入社した会社を3年で辞める若者がうじゃうじゃいる。彼らのことを忍耐力がないとネガティブな表現で遠ざけることは簡単だが、言い換えれば僕らにはできない「根絶やし」作業を平然とできる強くてスマートな人種なんだ。

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