とある出版社の営業担当から、DMが届いた。
「ウェブ上のあなたの活動を見つけました。出版しませんか?」とのこと。
さすがにそこまで自惚れてはおらず、まずは詐欺を疑って「出版詐欺」について調べてみることにした。おそらく「勧誘型の自費出版」に該当しそうだった。
これは、僕のような弱小零細ブロガーの承認欲求を逆手にとって、「ぜひ本を書きませんか?」と近寄ってきて、実は費用だけ騙し取られるというケースらしい。
もちろんこうした勧誘のすべてが詐欺とは限らない。今回連絡してきてくださった出版社はどうやら実在するようだし現時点でそうだと決めつけることはできないのだが。
さておき、出版に関して考える良い機会となった。口が裂けても「いつか本を出したい」などとは言えないが、日々文章化しなかった思考が消えていく恐怖にあらがう手段として誰の役にも立たない文章をせっせと書いてる自分にとって、今回の提案は「おもしろそう」と思えたことも事実だからだ。
小学生の頃、作文は得意だったと思う。これは、決して論理立てて書くとか起承転結で書くとかそういったことではなく、「アイディアが面白い」と褒められたことがきっかけだった。
今でも覚えているのは、3年生のときに運動会をテーマに作文を書いたのだが、クラスの友達は皆々そろっての競技の結果や感想を書くなか、僕はその日朝起きてから家を出発するまでのワクワクを描いて、「さて出発だ」みたいな締めくくりで作文を終えた。全く運動会に触れてない点が逆に良い!みたいな評価だった。
このとき貶さずに褒めてくれた先生に感謝しつつも、そうやって僕に「勘違い」を植え付けたことで苦しみや執着につながったり、詐欺被害者になっていた可能性も考えると、褒めるって無責任だなと思ったり。