文系か理系か

返答に困る。
「○○さんて、文系ですか?理系ですか?」

これが、「高校時代にどちらを専攻しましたか?」という意味なら、そのように質問してほしいわけだが、実際にはそういう時点限定的な意図ではなく、「過去から今現在に至るまで継続してどちらの属性ですか?」って聞いている場合が多い。

だから困る。どちらか1つにバシッと決まってるわけがない。
自分はどちらの属性もあると感じているので「どっちもです」と答えると、一瞬「え?」「は?」みたいなリアクションをされる。その疑問を解消するようにして彼らはとっさに「大学の学部は?」とか「高校の専攻は?」と聞いてくる。
この質問についても、真にその答えを知りたいというよりは、その答えによって今の状態を評価しようとしていることが透けて見えて、興ざめするのである。

逆に自分は、この透けて見えた意図を検証するようにして、即答できる人に「なぜ自分が理系だと思うのか」「文系だと思うのか」を聞いて見ると、やはりせいぜい学部の話や高校の専攻の話、あるいは数字が好きだとか文章が嫌いだとか、その程度のことで、どちらか1つに決め込んでいる。

しかも、言ってしまえば学校の宿題やテストという競争は、数的センスや文才が評価されているわけでは全くなくて、先人が積み上げた教科書に書いてあることを要領よく記憶し、類似の課題に対して適用できるかどうかが評価されているのであって、やはりその程度のことで理系も文系もないと思うのである。

要領が良ければどちらもできる。要領が悪ければどちらもできない。ただその中間にいろんなパターンが存在している。それだけじゃないか。

ちなみに自分は、高校の専攻は文系だし、大学は情報系の学部だから文理の区別はよくわからない。だからといって、数字は好きだし本も好きだ、ロジカルにたどり着く正解も素晴らしく、感情に訴求して人の心を動かすことも同じく素晴らしい。プログラミングも好きだし提案書作成も好きだ。

と、ここまで書いてあらためて自覚することは、たかだか日常会話の一部にすぎない他愛のない質問に対して真意がどうとか意図がどうとか理屈(理系)っぽいなーと思いつつも、一方ではわざわざ自らのお気持ちを文章化してまで表明しないと気が済まないなんて文系っぽいなーと思ったり。

うーん、体育会系。

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