サラダチキンという命名戦略

よくよく考えてみると、あの商品に「サラダ」要素は一切ない。
食す際にサラダと相性が良いというだけであって、単体で見れば全く無関係なのだ。

「サラダ」や「野菜」といった単語がもつヘルシーイメージの破壊力。
たとえば野菜ジュース。オレンジ色の砂糖水だってのに未だにヘルシー信仰は根強い。
あるいはサラダマック。これは一時の熱はとっくに冷めているものの、発売当初の日本市場での特に女性客の業績貢献がすごかったのは有名。マックという時点でヘルシーを期待しちゃいかんのに、ちょこんとサラダが添えられれば彼女らはそれで満足なのだ。

つまり、「サラダ」や「野菜」と言っておけば、ヘルシー面での付加価値が爆上がり、選ばれる可能性が何倍も高くなるってワケ。

特に最近は、健康意識、(食に対する)安全意識、あるいは生活習慣病や肥満への警戒意識が年々強くなっていると感じる。少しばかり値段が高くてもよりローファットなもの、よりローカーボなものを手に取ることが罪悪感を薄めてくれる悲しき行動様式になっている。男もなんだって美容だの健康だのと、タバコも酒もやめてヘルシー路線一直線。

そんな時勢においてサラダ×チキンときたら、そりゃあ売れるわけだ。かくいう俺も、出張時の食事の調達は決まってサラダチキンだ。

コンビニ各社へ提言したい。次なる一手は胸肉ベースで脂身の少ないホットスナックだ。得意の研究開発力でパサつきのない胸肉の揚げ物ができたらもう一山あてられるぞ。サラチキとかどうでしょう。

ジューシーでギルティなファミチキ(ナナチキ、Lチキ)と、ヘルシーでローファットなサラチキの2枚看板でお願いします。

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