ルーヴル美術館展@国立新美術館

ルーヴル美術館展 愛を描く

盛期ルネサンス期の名画が1枚でも見れるかと思って足を運んだが、16世紀以降の後期モノばかりだった。そりゃそーか。

テーマは、「愛の発明」らしい。
調べてみると、愛が発明されたのは中世ヨーロッパの12世紀とされている。
え?そーなの?遅くない?
日本には、8世紀頃にはすでに万葉集がある。万葉集には男女の色恋の歌がある。
もちろんその時代に男女の様子を「愛」という単語で表現してはいないが、「恋」という表現はたしかにあった。
その後1000年のときを経た明治時代、海の向こうの青い目の人たちが発明した「愛」が輸入され、「恋」の立場は下になった。翻訳すると、愛もラブだし恋もラブになる。おかしいでしょ。
だからいまだに「愛と恋の違いは?」とかいうくだらない論争が終わらない。意味は同じなんだよ。強いて言えば、恋は国産・愛は舶来。以上。

いきなり脱線しすぎて美術の話に入れない。

ルネサンス期の絵画の魅力は、わかりやすいこと。古典は素人の俺でもわかりやすい。
基本的にキリストと聖母が題材。脇を固めるヨセフとかヤコブとか、あとたまにモーセとか、登場人物が決まってるから、見てて理解が進む。加えて、背景は常に哲学・宗教・神話だから史実と結びつけやすい。書き手は同じ題材で制限競争してた感じだろう。
18世紀頃のロマン主義からの題材の自由化、からのヘタウマもOK、そんでもってキュビズムとかは、ちょっと理解できない。やっぱり古典はわかりやすくていいなと。

きっと愛という概念はたしかに発明されたんだろうけども、それを後世あらわれた14~16世紀の哲学者たちがもっとちゃんと解明しようともがいた軌跡なんだろうな、こうした絵画ってのは。この時代の画家は、皆スラッシュワーカーだったんだよ。
数学者/医者/画家/哲学者/発明家/建築家/政治家/etc といった感じで。
こうした大天才たちが数式で解明できない「愛」にもがき苦しんで、アートに求めたのかもしれないね。

冒頭俺なんかが偉そうに恋だの愛だのほざいてしまって、穴があったら入りたいよ。

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