球際に強いってのは、サッカーで言えば相手との競り合いにおけるキープ力、野球でいえば届くか届かないかのボールをキャッチする力。
つまり、瀬戸際の攻防で勝てる選手のこと。
なかなか指導だけでは身に着けることができない、本人の負けん気の強さや、幼いころに会得したボールハンドリングの技術など、一朝一夕は会得できない。
「平時において能力を発揮する」ことは練習で会得していくわけだが、そうじゃない「非常時の力」と言い換えることもできる。
仕事も似たようなところがある。
たとえば「与えられた業務を遂行できる」「綿密な計画が立てられる」「論理的に物事を考えられる」といったことは、指導と経験で、次第に誰でもできるようになる。
しかし、「顧客要求の丸呑みではなくこちらの勝ち筋も常に残す」「相手の出方に合わせて提案内容を変える」といった水際の攻防ってのは、なかなか教えてできるようなことではない。
欲しいのは、そういう選手。球際に強い選手。