どんな業界でも毎日パソコンを使って仕事をしているので、我々のようなIT業界に限らず、ファイルの取り違えが致命的な仕事上の問題になることはあるあるだと思う。
たとえば以下のようなケース
・最新版でないファイルを取引先に送ってしまった
・古いファイルを更新してしまって余計な差分反映作業が必要になった
・最新ファイルを誤って削除してしまった
IT業界ではもっと悲惨なケースがある
・古いリビジョンのプログラムを適用してしまった
・本番系コンフィグと予備系コンフィグを取り違えた
・顧客X向けプログラムを顧客Y環境に適用してしまった
こうした「水際の仕事」がそれまでの工程をすべて台無しにしてしまう場合がある。
どれだけ精緻に設計・製造・テストをしたとしても、リリース事故や作業ミスがあれば水の泡。無論手順書の整備だったり本番作業は2名体制だったりで防ぐわけだが、それでも起きるときは起きる。
肝要なのは、実作業に入る前に、今扱っているそのファイルが「まごうことなき正しいファイルであること」を担保すること。いつ誰に「そのファイル、正しいか?」と聞かれても、根拠をもって「正しいです。」が言える状態で作業してほしい。更新日時なのか、バージョン番号なのか、そうした属性情報では不安があるならばファイルを開いて実装を見るくらいの覚悟で、正しさを担保してから作業に入ってほしい。
その確認に、10分や20分かけたって惜しくはない。
我々の仕事では、Aさんがリリースビルドを作って、Bさんが本番エリアに運搬して、Cさんがリリース作業をするといったようにファイルをリレーすることがあるわけだが、AはBに渡すときに、BはAから引き受けるときに、BはCに渡すときに、CはBから引き受けるときに、全員がこうした慎重さを持たなければならない。
設定ファイルやビルド資産を扱うときの緊張感は、教育することも言語化することも難しくて。自分の場合はもう何百回とそうした作業をしてきて呼吸するようにできるようになったと思う。と言いつつ明日失敗するかもわからないわけだが。
とにかく自分や他人を疑って疑って慎重に慎重に。そのファイル、正しいか?