単位ミル

主に軍事関係で使われる角度(平面角)の単位。
ミル(角度)

wikipediaを見てもよくわからなかったので、自分なりに調べた内容を記録しておく。
360度を6400等分した角度(360/6400 = 0.056 25°)を1ミルと定義する。

1000メートル先にある 高さ1メートルの物体は 1ミルにおさまるようになっている。
公式にすると、目標物までの距離=目標物の大きさ×1000÷測定したミル角。
この公式を利用して、対象物との距離が瞬時に読み取れる。これは単純に三角法ってことでよさそうだ。
応用すると、狙撃対象の男が180cmだとして、スコープで確認したミル角5に収まれば、
1.8m × 1000 ÷ ミル角5 = 360m先 ということがわかる。

どうして距離の測定が必要なのか。素人目にはただスコープで見てレティクルの中心に打てばいいのではないかと思うが、弾丸は水平に飛翔し続けるわけではないので対象物までの距離が大事だ。
そこで、あらかじめスコープの調整により、ゼロイン距離を定義しておく。
ゼロイン距離とは、スコープで狙った場所と実際の着弾点が一致する距離のこと。
事前に何度も試射とスコープを調整しては、着弾位置が安定する設定を見つける。
同じライフルとスコープでも自分が調整したものでなければ意味がない。

話を戻すと、仮にゼロイン距離100mで設定したライフル(スコープ)で360m先の180cmの男をレティクルの中心に定めて打っても、男の手前の地面に着弾するだけだ。
狙撃手は基本的に一発で仕留めるのが仕事であって、ミスショットは自分の位置を相手に知らせる自殺行為であるため、都度調整している時間がない。
つまりできるだけゼロインで打てる場所を見つけないといけないし、そうでないならライフル特性、弾道学、気象条件を組み合わせて命中率を上げないといけない。

だから距離が瞬時にわからないとダメってことだ。今の軍事技術でこうした作業が必要なのかどうかはわからないが、昔の優秀な狙撃手はみな理系だったのも頷ける。

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