質的転換、量的拡大

10年ほど前に読んだどなたかのブログで、質的転換と量的拡大の違いを端的に表現した記事があって一時心酔したものだが、その記事が見つからないので自分で再現する。

質的転換と量的拡大を、VHS・DVD・BDで説明していた。

VHSからDVDは、質的転換だから爆発的に普及してVHSは家庭から消えた。
アナログからデジタルになったことで経年劣化や環境依存から解放され、常に安定して高品質な映像を映せるようになった。加えてコンパクトで収納性に長けたことと、何より供給側にとっての都合(生産性、保守性)を優先したためコンピュータとの相性が良く数年でVHSは消えた。

一方で DVDからBD(Blu-rayDisc)は、量的拡大。容量を拡大しただけ。
これでは市場を塗り替えることはできない。

こんな感じの説明だったと思う。
いろんなことに当てはまって腑に落ちたことを覚えている。

転じて、プレステは質的転換だったなーとか。
メモリーカードという記録媒体が発明されたことで、アプリと記録を切り離せるようになった。従来型のカセット(カートリッジROM)の場合、プレイヤーの過失とは無関係にぼうけんのしょ(セーブデータ)が消失する可能性があるという、今考えればトンデモナイ仕様だった。
もちろんそれだけではなくて、3D映像を表現できるようになったこと、コントローラの多機能性でゲームとの対話パターンが増えたとか、質的な向上要素はたくさんあった。
スーファミ一色・Nintendo一択だった時勢が1年くらいで塗り替わった。
そのあとはプレステっぽいゲームが大量に出てきて家庭用ゲーム機の戦国時代になっていく。

簡単に思いつくところでは、こういった例もあてはまるかも。
・HDDからSSDは量的拡大、HDD(SSD)からクラウドは質的転換。
・ガラケーからスマホは質的転換、スマホからタブレットは量的拡大。
・低燃費化は量的拡大、電気自動車は質的転換。

質的転換を生み出す仕事ができたら幸せそうだ。

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