紙芝居

サイドミラーもバックミラーも、安全を確認するための手段に過ぎない。

別の方法で手っ取り早く安全を確認できるなら、ミラーなんか見なくたっていい。
また逆に、サイドミラーでもバックミラーでも見えない死角があるとすれば、別の方法で安全を確認しなくてはならない。

パワーポイントやプレゼンテーションツールがなくたって、聞く人の心を動かす説明ができればいい。逆にそれらを用いたとて誰の琴線にも触れられないなら別の方法を考えなくてはならない。

と、ここまで聞くと「手段にとらわれず目的思考が良い」という結論を求めそうだが、否。
99%の人は、既存の手段やスタンダードに従っときゃいい。
価値基準は、目的の達成度合×生産性 だから。とりあえずは走ってる組織のスピードを落とさないように、流れに乗ることは大事なソフトスキル。
その裏で、このスタンダードな手段がどう優れているのかを考えることが現代の目的思考だと言えそう。

長い歴史のなかで多くの人が手っ取り早く、かつ再現性高く目的を達成するために磨かれてきたツールに代わる代替手段を、突然探し始めなくていい。
ただひたすら、どうしてそのツールが愛されるのかを理解していただきたい。

パワーポイントは、皆が子供の頃に釘付けになった紙芝居。泣く子も黙る紙芝居。
これが始まると日本中の全3歳時が集中力を発揮できた。仕組みはこれと同じ。
①資料と違って自分のペースで先を見られない期待感。
②映像と違って絶えず脳内で情報補完と想像力が必要とされる緊張感。
③語り手と聞き手が明確にポジション取りされることによるメンタルモデルの形成。
④ストーリーの最後を知りたいという知的好奇心。

だから、スライド方式のプレゼンテーションが、説明の場のデファクトスタンダードなんだと知る。そうすると、目的に対して効果的にツールが使えるようになる。
それはつまり、①期待感を煽ること、②緊張感を形成すること、③語り手は権威を示すこと、④意外性を忘れないこと。まぁそういうこと。

だから、まずは今の仕組みや既存の手段ががどう優れていて、どう使いこなすのが効果的なのかを頭で理解してほしっ。

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