いつかの6月17日

何年か前の6月17日、会社の前で高校生(女性)が倒れていて、救急車を呼んだ話。

当時から6時半頃に出勤するルーティンは変わらず、会社に向かって歩いていると、高校生が倒れている。ちょっと信じられなくて3度見くらいして、内心では「いやいやwまさかw」と思ったり「いたずら?ドッキリ?」とか思ったが、思い切って近くにいって声をかけたが反応がない。

すぐにわかったことは、この学生は近くにあるH高校の生徒で部活動の朝練へ向かう道中だったこと。この朝練の子たちとは毎日のようにすれ違うから、それだけはすぐにわかった。

人生で初めて救急車を呼んだ。位置を伝えて質問に答えた。外傷はない、意識もない、呼びかけに反応もないとかそんな感じで電話を切った。
あれ、心肺蘇生・・・どーやるんだっけ。と途方に暮れながら、せめてもと思ってずっしりと重そうな赤いバッグを担いでいたのでそれだけでもおろしてあげようと試みたが、がっしり両肩で担いだままうつぶせで倒れているのでこれを外すには体のいろいろなところを触らねばならず、断念した。
このときマゴマゴしてしまったことは今も後悔してる。てめぇは童貞野郎かと。

すると、この子のだらりと伸びた右手付近に転がっていたスマホが鳴った。ラッキーだと思ってすぐにその電話に出た。この子の友人からだった。(どうしてこのタイミングで電話が来たのかは、よくわかってない)

電話で、当人が倒れていること、そんで俺が何者なのか、救急車を待っていることを伝えた。
事情がわかると電話の子もうろたえて突然呼吸が荒くなった。
とにかく、まずはこの子の親御さんと何とか連絡をとってほしいこと、次に顧問がいれば車でココまでかけつけてほしいことを伝えた。

救急車を待つ時間が異様に長く感じた。
何人か通りすぎる人もいたが、じろじろ見られてめちゃくちゃ怖くなった。

まもなく、無事救急車が来た。それと同時に顧問と思われる方と電話の生徒が到着した。
救急隊員に事情聴取された。このシーンをあまり覚えていない。緊張の糸が切れたんだと思う。最後に電話番号と氏名を聞かれて救急隊の人にメモして渡した。
この日は1日仕事が手につかなかった。

数日後、ある日の通勤時に高校生から話しかけられて「あのあと○○ちゃんは大事には至らず回復しました。ありがとうございました。」と後日談を教えてもらえた。
電話の子じゃなかった気がして、ちょっと疑問ではある。

だがしかし、あれ以来の朝通勤で本人を見かけなかったことが気がかり。
今は元気に社会人をやってるだろうか。
この辺を歩いてるとふいに思い出してしまうセンシティブなやつ。

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