銀行員がITパスポート試験

(偶然にも前回に続いてIPA試験に関係する話)

地銀勤めの知り合いが、「ITパスポート試験を受けることになった」と相談してきた。
いわく、経営陣から「これからはDXだから全行員が受けるように」との指示があったらしい。
地銀とは言っても数千人の従業員を抱える巨大組織なんだが、全行員ってのがすごい。

いろんな業界でロジック不明の迷走しまくり
その表面的な最終指示しかわからないのでそこだけ切り取るのは申し訳ないが、迷走しすぎ。
とはいえ自分も試験内容を知らないので一応過去問をちょろっと見てみたが、どう寛容に見積もっても数千人の銀行員に受験させたところでDXによる業績の極大化を実現する最短の方法ではナイのかなと思ってしまった。
繰り返すが、この指示の背景を知りえていないので、これは10年計画の入口なのかもしれないし、そこからDX人材を絞っていくのかもしれないし、これからやろうとするフィンテック事業
のWG結成なのかもしれない。あるいはただの思いつきかもしれない。

自分だったら、銀行さんには「融資・渉外・補助金・投資支援」あたりを頼みたい
個人的には、銀行員の強みって、「融資・渉外・補助金・投資支援あたりの知識や専門性」だと思う。その他の業種でこれを持ってる人材はまずいない。
中小企業の経営者やこれから起業したい人は、まだまだ頼りたいんじゃないかなぁと思う。それも、ただ貸すという最下流ではなく、支援企業のCFO的な最上流の位置で財務戦略を立てるコンサルテーションに入り込んでいくべきだと思う。正直、窓口も店舗もいらないけど、ココは結構ポジションあると思うぞ。
銀行員のIT知識やDX提案には期待しないけど、財務面での堅実な分析・診断・コンサルテーションならどっぷり聞きたい。

どころでDXって何なのか
辞書的な定義はさておき、いろいろな場面でテキトーに用いられるので、実態がない流行り言葉みたいに捉えられがち。
こういうときは、似ている言葉と相対的な比較をすると、くっきり見える場合がある。
たとえばIT化とDXの違い。
IT化は「コスト削減」、DXは「売上の極大化」。これは1つ良い答えかも。
あるいは「デジタル化」と「DX」の違い。
デジタル化は「単一プロセスの高度化」、DXは「その組合せと連鎖による社会や生活の変革」。これも一理ありそう。

DXを提案する側の立場の我々からしても、相手にとって「どう業績の極大化」につながるのか、「誰のどこに変革」が起きるのか。この辺を置き去りにしてテキトーな使い方をしないように気をつけないと。

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