モツ煮で有名な永井食堂に行ってきた。
モツ煮は美味しくいただいたのだが、想像を超えてくることはなかった。
基本的に世間がオススメする「うまい店」とされるものってのは、これだから困る。
「ラーメンが美味い」「かつ丼が美味い」「ハンバーグが美味い」「カレーライスが美味い」
こういうのは、たしかに美味いんだが想像を上回ってくることはない。
結局のところ、ハンバーグを例にすれば、「ハンバーグの美味さの範囲」ってのはもはや決まってる。”めちゃくちゃ美味いハンバーグってのはこういう感じ” のメンタルモデルができているから、既存のハンバーグ概念で勝負してもらっては、もはや感動させることはできまい。
「たしかにうまい」で終わらない、何か新しさがほしいと思う。
自分に限らず、現代人は今や舌が肥えすぎていて、「美味い」とされるものは食い尽くしたし、逆にそうでないとされる「300円で食える牛丼」や「コンビニ弁当」だって、これがまた十分に美味い。
クラス全員が美人みたいな感じ。ある日めちゃくちゃ美人の転校生が来ると言われてワクワクするが、前後左右の美人との違いがよくわからない。想像上の美人を上回ってくることはない。
聞いたこともない名前の新しい料理や異国の料理であれば、「食前にメンタルモデルを作れない」ので、確実に感動できる。料理名からどんな味なのかまったくわからないものを、誰か準備しておいてほしい。