これを人生で初めて経験した。
コンビニATMでキャッシュカードが読み取れず、本当に焦った。
近くの別の店舗でも使えず、途方に暮れた。
入れても入れても突き返されるので、店員も不思議そうにこっちを見ている。
怪しまれてるかもしれない。何もやましいことはないのだが、なぜか目を合わせないようにうつむきながら足早に店を出た。その後合流した仲間が、それはキャッシュカードの磁気不良だといった。「たまになるよ」と言っていた。
後日また別の人にそんな話をしたら、「よくなるやつですね」と言っていた。俺は知らないぞ。
銀行にいった。磁気不良だった。
「カードの再発行ですね、本日 届出印はございますか?」と聞かれた。
「トドケデイン?」
この口座を開設したときに押した印鑑のことだ。絶望した。ない。ゼッタイナイ。
だって捨てたもん。
何年か前に、通帳アプリに切り替えれば「紙の通帳はもういりません」と言われて、そのときにセットで保管していた「トドケデイン」とやらも捨てた。完全に詰んだ。デッドロック。
正直に「捨てました」と言ったら、先方も唖然としていた。
以後のやりとりは、「やべーヤツが窓口に来た」的な振る舞いでもてなされた。
窓口で身分証明書による本人確認ができていて、カードと通帳アプリも提示しているというにも関わらず、「明治時代に制度設計されたトドケデインが必要」っていう素晴らしいシステムが令和の時代も維持されていて、感激して涙が止まらなかった。
ひとまず、通帳アプリと暗証番号で、窓口で出金することはできた。
また、新しい印鑑を持ってくれば紛失&再発行みたいなことができることもわかった。
こういうところで世間知らずが出てしまう。
行政の窓口とか銀行の窓口とか、できるだけ避けて生きてきたので挙動不審になっちまう。
そういう意味では、最近の河野太郎氏のドラスティックな感じは応援している。あの働きっぷりはチートだ。