結局みんな、暴力と罵倒が大好き

とある格闘家のユーチューブチャンネルで、素人を集めて地下格闘技をやるといった興行がバズりにバズってる。今回が6回目の開催らしい。
自分も最初のほうは面白いと思って見てたんだが、前回あたりからキャラクター祭りになって、腕っぷしは二の次になった感が少々寒い。

さておき、結局みんな「暴力」と「罵倒」が大好きなんだなと、安心している。
表面的にはいつも「平和、平等、戦争反対、いじめ反対、体罰反対」といった人間らしさを着飾っているが、その裏では地下格闘技を見に行って、「殺す」といった罵倒を聞いては歓喜し、弱いやつが返り討ちにあってはほくそ笑んで、人知れず甘い汁を啜っている。

ルールのなかで格闘しているので暴力ではなくスポーツだという解釈を持ち出すのは、少々都合が良すぎる。
もちろんリングの中ではそうだが、どちらかといえばリング外の取っ組み合いや罵倒が注目されているわけだから。またそれらが演出だとすれば、なおのこと非日常的なそれを欲していることの何よりの証拠だろう。

自分も同じようなもので、最近は時間がもったいないので目に入ってもタップしないようにしているのだが、本当は見たい。これをちゃんと言語化すると「いい年をしたバカなオトナ同士のダサいマウント合戦と何の技術もない力任せで不格好な暴力」を、心の底から見たい。
でも見始めたら次も次も見ないといけなくなるので自制している。

中学生の頃、ガチンコファイトクラブというテレビ番組があった。これも似たようなもので、素人からプロボクサーを育てるという企画だが、もちろん全国の腕っぷしバカがオーディションに集まってきて、そこで罵詈雑言と大乱闘が始まるというもの。そこが面白さのピークで、実際にプロになるかどうかは二の次三の次だった。
当時としてはかなり高い視聴率だったと記憶している。(それらが脚本だったかどうかは別として)

暴力・罵倒・マウントといった、昼間の世界では「低俗」とされるものが、本当はみんな大好きで安心した。

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