欲しい結論を探せるようになってる罠

何か学術名をつけてほしい。
「世界は、君が欲しい結論を探せるようになってる罠」

これどういうことかと言うと、一般常識からレアなサンプルまで、世界のあらゆる知見がインターネットで探せるようになったので、たとえば「男は金か容姿か?」といった問いに対して、貧乏で優れた容姿の人は「容姿」の結論を探し当てられるし、金持ちの不細工は「金」の結論を探し当てられる。
大抵の問題は、唯一無二の真理や答えはないので、自分が寄りたいほうに寄った答えを見つけられるようになっている。

「今日こんな嫌な奴がいた。この人おかしいですよね?」と書き込めば共感を得られるし、より抽象化して検索してみると、「そういう人とかかわってはいけない」みたいな結論まで出てくる。
本当は、当人にも落ち度があったかもしれないのに、「やっぱりあいつがおかしいようだ」と無事欲しい結論を得るので結局自分に向き合う時間が減ってしまう。

これって、徐々に世界の人間の質が落ちていくことにつながらないだろうか?

「宗教ってどうやらおかしそう」と思って調べると、黒い問題ばかり見つかる。
否、本当はそれによって心が救われてる人がいるのでは?
「政治家はバカばっかりだ」と思って調べると、不適切発言ばかり見つかる。
否、本当は優れた法案を作る政治家もたくさんいるのでは?
「教師は頭がおかしい」と思って調べると、学校の不祥事ばかり見つかる。
否、あなたを育てた先生方も全員そうだったの?
「公務員は偉そうだ」と思って調べると、「民間と違ってサービス精神がない」みたいなネガティブな印象ばかり見つかる。否、行政はサービス精神出したらダメだからな。

今や世界の情報量が必ず君の望む結論を用意しているんだ。
その罠に安易にひっかかってしまってはいけない。
すると、横柄な人が増えて、世界全体の謙虚さが減っていくからだ。
分け与えることで繁栄してきたはずなのに、争いや分断が起きていく。
この事象に「○○の罠」みたいなかっこいい名前をつけてほしい。
たとえば「囚人のジレンマ」とかそういうかっこいいやつな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA