『老人と海』

夢や理想までの道のりや挑戦について描かれた小説『老人と海』

KindleUnlimitedにある名作をむさぼってる今日この頃。
小学生か中学生のころに、短編で読んだことがある気がするんだけど、教科書にあったかな?
だけど物語は全然覚えてないし、印象にも残っていない。

今回は没入してほぼ一気読みだった。ストーリーは単純でわかりやすいのに、子供より大人が共感しやすいのは、「何一つうまくいかない」状況を、大人であれば誰しも1度や2度経験していて、そこに自分を投影できるからなんじゃないかと思う。そんでもって、今となってみれば「そういうこともあったけど、今日生きてる、死にゃあしないよね」っていう共感。

実は読んでいて、サンクコストバイアスの話かなーって浅はかに考えてたんだけど。
どんどん沖に出ていく下りとか、体はボロボロだけどまだいける、サメ退治であらゆる道具を失ったとか、ここまで時間・体力・費用をかけたんだからやるしかないっていう教訓の話かと思ってたんだけど。
なんというかその解釈は、すごく資本主義的というか、効率重視、コスパ重視、無駄は悪っていう現代的な解釈な気がして自分が寒くなった。
そうやって人のストーリーは憐れんでバカにして、自分は最初からわかってたような顔することはできても、自分のストーリーは毎日そういうことの連続だし、じゃあ逆に一切の無駄を排して統計的に優位な判断だけで生きていくことになったら、それは誰が幸せなのかって話だし。

あとは、唯一の安らぎというか救いの存在であるマノーリン。ここにも共感しやすいのも良い。
結局ぼくらは、サンチアゴみたいに生きたいし、マノーリンみたいに生きたい。
クソみたいな世界で美しく生きたい。そういうこと。

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