来い来い来い

中学・高校と野球をやっていた。バッティングは人よりデキるなぁと思えていて、いつからかチャンスになると「俺に回ってこい」とすら思うようになった。
そう考えれば考えるほど、結果もついてきたように思う。

きっかけは何だったのか考えてみると、一番わかりやすいのは高校入学直後の最初の紅白戦で、レギュラーメンバー 対 2軍で組まれた試合に、なぜか上級生を差し置いて自分の名前があって、そこでエースピッチャーから特大の3塁打を打ってしまったこと。

以来、一目置かれるようになって、試合に出たときも「お前が打てなければしょうがない」と言われることもたびたびあった。言っても3割そこそこしか打てないというのに、たったその一言で「俺に回って来い」と思うのは今となっては浅はかだなぁと思いつつ、やはり他者に認められることってのは、盛大に人を勘違いさせるほど絶大なパワーがある。

その心理が結果につながろうとつながるまいと、その瞬間は幸福だったことに違いなく、この先の短い人生であと何度そういう感覚で何かに取り組むことができるのだろう。

人の評価は気にしないという生き方ももちろん大事だと思うが、俺の場合は、自分で自分を認めることが作り出すパワーが、それに敵うとは到底思えない。
自己実現時代とかきれいな言葉もあるけども、他人の評価を欲しがって生きていくことも、まぁまぁ立派なんじゃないかと思う。

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