「人との出会いが人生を変える」ことって今でもあると思うんだけど、一方では少し前時代的な匂いがプンプンする表現でもある。
自分が思うに、もう少し具体的で再現性が高そうな表現にすると、「出会った人に影響を受けて自然と思考習慣が変わる」が適切だと思う。
自分にもこうしたターニングポイントがいくつかあったと思うのだが、今でも印象的なのは2015~2016年頃に出会った会計士の先生。ここで会計スキルの汎用性に感銘を受けた。なおかつこの先生の仕事をシステムに実装すべく自分1人で開発したシステムがあり、その過程で会計システムなら自分ひとりで設計も実装もできると確信するに至った。
IT×会計×コンサル が人生の食い扶持になるんだろーなーと確信した出来事だったと思う。
こうした出会いは、そうそう得られるものではない。冒頭では再現性が高そうな表現と書いたものの、狙って発動させることができるイベントではない。もちろん「尊敬する人に会いに行く」みたいなことは行動力さえあればできると思うのだが、大事なことは「思考習慣が変わる」体験にまで発展するかどうかである。
ましてや江戸時代と違って、出会う前から本や動画で擬似出会いをすることができるから、実物との出会いにそこまで感情が動かない。だいたいどんな人なのかわかってるから「そうであることを確認する作業」程度で人との出会いが終わる。つまり感情が動いて思考習慣が変わるに至るには振れ幅が必要で、あまり事前情報(先入観)を頭に詰めていくのは得策ではないことになる。しかし現代において事前情報を頭に詰めずに人と出会うってのは多分に恐怖を伴うことだ。
この先の人生であと何度こうした経験ができるだろう。また逆に、自分程度の分際でも人の思考習慣を好転させるような役割が一度でもできるだろうか。
その点教育者や指導者と言われる職業は少しうらやましい。毎年数十人の生徒の人生を変える機会に恵まれているのだから。