『どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?』

著者としても答えは出ていないそうだ。
まぁ、これだという正解があると思って読み始めたわけじゃないので、そういうオチであることは想像の範囲内ではあったのだが。

良かった点
・ひきこもりが「まとも」という見解。これはわかる。
たとえば、子が「どうして学校に行かなければならないの?」と疑問を持ったとして、親がこれだという回答を出せないのと同じこと。言ってしまえば「昔の偉い人がそう決めたから」ということになるが、得てして親という生き物はそういう「ただ従えばいい」的な回答を嫌うもので、格好つけて「将来のため」「良い大学に入るため」「たくさんお金を稼げるようになるため」といった回答になり、だけれどもこんな質問をしてくる聡明な子というのは、それが欺瞞だと見抜いてるもので。実際のところ、義務教育ができても稼げない不幸な人は腐るほどいるし、精神的自由を貫いて経済的な自由を手に入れた人もいろんなメディアを通して現認しているのであって。
ひきこもって自由を得ようとする側のほうが論理の破綻がないんだよな。


・半隠遁生活。これは自分が目指す形に近い。
あらゆる面で、完全に一人で生きていけるようになりたいとまでは思えない。
必要であれば組織も他者も利用させてもらうが、それは自分が自分の手綱を握っているのであって、誰かが俺の精神や肉体に介入することはないように注意したい。
そのためには、こっちも自分以外のヒトやモノやコトに依存せず、また執着しないようにする。
とはいえ、国家に属し、法の制約を受け、勤労も果たし、また財やサービスを利用する以上、そのバランス感覚は自分の都合で死ぬまで調整していく感じになると思う。

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