『論語と算盤』


あれだけ「道徳」、「誠実」、「孝行」とか説いておきながら、女性関係にだらしないところが好きすぎる。
この達観した感じは、一定のステージにいった者だけに許される余裕感は否めない。
あと、「経営者が従業員におすすめする本」みたいな見出しもよく見るけども、それも「上下関係を重んじる精神」や「泥臭いことでもひたむきにやる」的な部分が強く主張されてる気がして怖い。大事なことだとわかるけど、手放しに絶賛という感じではなくて、前時代的なストーリーもたくさんある。
そういう時代と、渋沢氏の人格と、運と、そういうのが偶然かけ合わさって生まれた史実だね。それを言っちゃあ過去の出来事は全部そうなっちゃうんだけど。
まぁとにかく、自分にとっては再現性が低い。

とはいえ、「自己実現の時代」とか「合わなかったらすぐ転職する」とか、そういうのをこじらせて「ただのわがままな人」になっちゃった人にとっては、良い薬になると思う。
なぜならば、結局は世間というか空気というか社会は、ひたむきな人が好きだから。




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