属人性=競争力

誰でも同じ水準の仕事ができるようになることは良いこととされるけど、極限まで属人性を排していくと、競争力がなくなるのも事実だと思う。

競争力の定義は「ある市場における他社との差別性」って意味として、
属人性ってのは「財やサービスの質が人の能力に依存している度合い」って意味として。

だから、誰でもできるようになれば、他社との違いは薄まっていくことは必然。
診断士界隈だと、中小企業においては「強みを活かして差別化」がぶれることのない競争戦略であって、一方で事業承継・技能承継においては属人性は悪とされるのも事実。
また、前者は対外的な文脈で語られるし、後者は対内的な文脈なので、タイトルの式は必ずしも成り立たない(、レイヤーが違う)っていう意見もわからなくはないけども。

だがしかし、先進企業が数千万で優秀な人材を世界中から集めて、事業を成功させているのも事実。それが、人は誰でも良くて金があって大量に広告を打つだけで成功するような事業だったらわざわざそんなことしないんだから、やっぱり「その人にしかできない固有の能力」と「企業の競争力」ってのは関係があることになるよね。

体力のある企業は、そうやってサイクルできると思うんだけど。サイクルってのは一部の優秀な人が新商品やサービスを作って、次第に属人性をなくしていくという循環が。
中小企業でそれはやっぱり難しくて、1つの面白い事業が、ずっと面白いまま進化していかないといけない。そのためには、さっさと誰でもできるような状態になるよりは尖ったまま進めるところまで進み続けたほうがいいんじゃないか。

「属人性をなくすことを良し」とする行き過ぎた論調は、穿った見方をすると「競争力を落とさせようとする罠」に聞こえてくる。これわかる人いると思うんだけど。

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