事前確定届出給与

役員報酬の臨時ボーナスを、損金算入するための届け出。

役員報酬は利益隠しにつながりやすいため、事前に金額や支給時期が確定していない報酬や賞与は損金不算入となる。損金不算入とは、会計上は費用計上するが、税務上は損金(費用)に計上できない科目のこと。

事前確定届出給与は1998年の税制改正で導入された制度で、それまでは儲かった事業年度の利益に対して一時的に役員報酬を過大に計上することによって税金逃れするグレー経理が横行し税務上の問題となっていた。これを取り締まるために作られた。

儲かったからといって事業年度が終わってから法人税申告するまでの間に支給決定してはダメですよ、それは事業年度が始まってから一カ月以内に金額・支給時期等を決めてその内容を届け出てくださいよという制度。

事前に届け出ているからといって、あまりにも過大な臨時ボーナスが設定されている場合には不算入扱いとなることもある。これは定量的な判断基準はなく、社会通念・経済合理性による税務当局の判断となる。

個人的には、所得税で源泉したほうが税務当局も儲かっていいのではないかと思うのだが。当該臨時ボーナスが1000万円超えてくれば40%近く取れるわけで、そうなれば法人税で負担させるより税収増えそうなんだが。

このほか、役員報酬関連では定期同額給与・業績連動給与で一定条件を満たすものの2つがある。これらも適正部分に関しては損金算入だが、過大部分については不算入となりえるため要注意。

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