最初に感じるちょっとした違和

このやり方は、長く続かないよーな。そう感じていた多くの人たちがいる。

今でもたまに食事をする前職時代の仲間がいる。数日前の会食で、さまざまな状況を聞いた。僕はひそかに「転職しなかった場合のもう一つの仕事人生」を勝手に彼にゆだねている節がある。彼は営業マンで僕はエンジニアなので、違う畑ではあるが、根底の価値観・考え方に共通している部分があり、ライバルか相棒かそんな感じだからかもしれない。また一緒に働こうとスカウトしたものの、一方では引き続きそこでおじさんたちをやっつけて高みを目指してほしいとも心から思っている。

さておき、体制は大きく変わったと聞いた。僕はこれに関して良いとか悪いとか評論できる立場ではないし、遺恨も怨恨もないのでとにかくうまくいってほしいと願うばかりではあるが、当時から「このやり方は長く続かないよーな・・・」と感じていた多くの若い者たちが去ったあとなんだ。僕は事業も仲間も好きだったので、やっぱり空しい。

今感じているちょっとした違和が、数か月後・数年後に取り返しのつかない問題になってやってくる。漕ぎ始めた船の方位磁石が狂ってる、オールに力がない、あっちは荒れてそう、なんかこのまま漕いだらダメな気がする。多くの人がそう思っても、動きだしたら止められない。次第に意思決定者たちもサンクコストからのグループシンクに陥り、なんでそうなった的な、あとから見たら誰がどう見ても合理性を欠く判断をしてしまう。

最初に感じるちょっとした違和を刈り取るのは、現場と意思決定者をつなぐ中間にいるリーダーたちで、結局ぼくらがそれをできなかったんだな。狂った方位磁石と折れたオールで雷雨に向かって漕いでた。いよいよとなったら自分たちだけ逃げる準備を着々と進めながら。

結局僕がいっちゃんわるいやつ。

夏の花、ジンジャー。霧吹きでお水をあげると喜ぶらしい。

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