SI経験の有無ではわからん

なんでもそうだけど、有るか無いか、正義か悪か、YESかNOか、白か黒かの二択で語ればいいってもんじゃない。SIのHRでは、SI経験があるかないかの二択が大きな物差しになってるように思うが、SIって言っても広いのでそんな括り方には全く意味がないどころか、危険ですらあると思っている。

変な癖が染みついてしまったバッティングフォームを直すくらいなら、運動神経の良い素人を育てるほうが速いのと同じように、あるいはすでに描かれた好みでない絵を修正するくらいなら白紙から描いたほうが速いのと同じように、経験者だからOKで未経験だからNGってことはない。

そもそもSIなんて言葉はSI業界が作り出した「おれたちの専門領域感」という演出くらいに思っていて、土台に必要なのは組織で仕事をするためのコミュニケーション能力に始まり、主張と根拠、結果と原因、問題と対策、具体と抽象みたいな基礎的な思考能力のほうが先立つわけで、そのうえにくる要件定義ができます、設計・コーディングができますってのはふりかけくらい。一昔前は、再現性のない秘伝のタレみたいな希少な人材もあったのかもしれんが、僕が知るソフトウェアの開発作業って特殊能力でも何でもないので、むしろ土台のごはんがごはんだけでしっかり美味しいほうがありがたい。

無論これは自分にも言えることで、こんなおじさんになっても土台がぐらぐらしてるんだから、これからも一生土台づくりするんだろうな。土台というか、核みたいなものか。上から貼り付けてきたラベルや垢をすべて剝がしていった先に残るものを強く大きくしないと。

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