ニアミス事故から変わってない

日航機と海保機の衝突事故、なんやかんや調査は進んでいると思うのだが、僕の印象では「いつかのニアミス事故からやり方は変わってないんだな」ということ。これが良いとか悪いとかはわからないのだが、依然人間の声と耳と互いの理解に依存した不安定な「空の安全」なんだということ。

たしかそれは僕が中学生の頃だったと思う。「ニアミス」っていうなじみのない言葉を聞いた。テレビのニュースを見て、飛行機同士が空中で「かすった」という報道をしていた。そんな大きなことなのかな?と当時は思ったように記憶しているが、チャンネルを回してもどこもかしこも同じレベルで大々的に取り沙汰していたように思う。

このニュースで、「ニアミス」という言葉を覚えて、20年以上経った今でも強く印象に残っている。

原因は、管制官の不適切な指示だった。今回の件とは違うという主張も聞こえてくるが、僕的には全く同じように映る。結局、誰か一人の職員が何かの勘違いで指示を間違えたり聞き間違ったりすると人が死ぬという事実。

飛行機そのものは市場の原理で性能競争・価格競争は一定作用し、昨今のテクノロジーの進化の恩恵を存分に受けているとは思うが、空港設備やその運営に関しては民営化しているとはいえ公共事業のような性質が強く、イノベーションが起きづらい状況なのかもしれない。航空各社はLCCも出てきているが、空港という受け皿が競争にさらされていることはないのだろう。

(比較対象に持ち出すには大変恐縮ではあるが)SIの現場でもよく耳にするのが、スピードより質だとか、質よりスピードだとかいう議論。僕的には、スピードを高めることが質を高めることだし、質を高めることがスピードを高めることだと思う。つまり両輪。人間の指差し確認やダブルチェックなんかじゃない。早く正確にやろうと思ったら人間への依存度を減らしていくしかないのかな。労働集約的な仕事をなくしていくことって、断じて働き方改革だとかそんなちっこい話ではなくて、人が死なない仕組みを追究することだったんだな。

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