子どもの頃、もっとたくさん絵を描けばよかった

絵心が絶望的にない。

物心ついたころには、さらさらマンガチックの絵を描ける友達と自分との間の明らかな違いに気づいていた。それでも、これまでの人生においてこの違いが具体的な障壁として立ちはだかることもなかったので、克服することを検討すらしなかった。

図画・美術なんかでは、絵は下手だったに違いないが、構図や視点の奇抜さで乗り越えていた感があるし、絵そのものが上手いか下手かをそこまで批評しなかった当時の先生方にも今思えば感謝。

で、この絵心の正体は、生まれ持ったセンスとかじゃなくて、単純に幼少期に絵を描いた回数なんじゃないかと思う。少なくとも、①描写したい対象物か想像上の何かがイメージできていて、②ペンを持って画用紙の狙ったところにペン先を置きに行くことができる。ところが書いたものがイメージとは程遠い。この違いを理解しているのだから、回数を重ねれば頭のイメージに体がついていくはずだと。字も同じだと思う。人の字を見て、上手か下手かはわかる。ペン先を狙ったところに置くこともできる。あとは練習だけ。ちなみに字に関してはそこまでコンプレックスはない。

脱線したが、結局は絵が下手を自覚してから描くことが減り、できるだけ上達から逃げ続けて大人になった。

大人になってから人前で「絵を描く」なんてことは、よほど特殊な仕事しかないと思いがちだが、意外とそうでもない。模写を除けば、ホワイトボードに〇△□を書きなぐることは日常茶飯事。で、そういう場面における絵図に上手い下手は大概関係ないと言えばそのとおりなんだが、問題は「よし、俺が描く」となるまでにちょいタイムラグがあること。

結局は、下手を自覚している人間が、人前でペンを握るなんて恐縮なのです。勇気がいる。もちろん絵心って話ばかりでなく場数もあるとは思う。そういう意味ではそこまで深刻な悩みではないのかもしれないが、とにかく躊躇なく瞬発的にペンを握れるようになりたい。

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