『ぜんぶ、すてれば』

寺田倉庫の元社長、中野善壽さん著。寺田倉庫は美術品・ワイン等の貸倉庫事業をやってるらしい。事業内容は全く知らなかったのだが、なぜか天王洲アイルあたりの会社ってのは知ってた。あの辺よく通ってた時期に目にしてたのかなー。

まず、僕の結論は「ぜんぶは、すてない」ことにした。ちゃんと説明すると、こういうのに感化されて「ぜんぶすてよう」と思ったのに結局「ぜんぶは、すてられない」と気づくと自己嫌悪になるから、自分に期待せず「ぜんぶは、すてない」と一旦は心に誓う。

一応言っておくと、20代の頃にこういう自己啓発本は読み散らかして、劇的に人生を変える魔法はないことは理解してるから、そういうマインドで楽しむには良い。

著者は執筆時点で75歳。こういう本に一定需要がある時点で、(自分を含めて)僕らの世代は終わってんなと思う。孫正義も柳井正もそろそろ後期高齢者でしょう。なんというか、「すがるくせ」みたいなものが抜けきれない世代なんだな。本書のテーマである「すてる」から一番遠い感じ。

だから、これからは個の時代とか言われても、わからんのよ僕らには。個を消して何かにすがるのが、社会でのサバイバル術ですから。なんか、個を前面に出すわけでもなく、集団に同調するわけでもなく、ニュートラルな生き方を誰か説いてくれないかな。

だからやっぱり、個人的には「暖簾のように生きる」がしっくりくるな。結局これまたむずいんだよなー。誰かノレン教を開祖して教典作ってほしい。

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