『面白くて眠れなくなる社会学』

言語、戦争、憲法、貨幣、資本主義、私有財産、性、家族、結婚、正義、自由、死、宗教、職業、奴隷制とカースト制、幸福。

あっという間に読めて、しっかり面白かった。社会学の全体感を、なるべく難しい言葉を使わずにコミカルに描いていると思う。

理論・理想の哲学に対して、現実解の社会学って感じ。
ゼロイチの哲学、イチジュウの社会学。
曖昧さを嫌う哲学、曖昧さを受け入れる社会学。
変わらない哲学、変わる社会学。
死に行きつく哲学、生にこだわる社会学。

世界の仕組みが未熟だったころは、たぶん哲学が必要だった。科学が未熟で、世界は見ている範囲以上の広さはなく、常に死と隣り合わせで、生きること以外の執着なんか存在しえない。

あるとき、科学が生まれた。科学は生活を豊かにすると同時に貧富の差を生んだ。哲学では貧富の差など幸福には関係ないというが、それは多くの人にとって詭弁になった。社会学は、その貧富の差を認めつつも極論に傾倒せず、いろいろな変数(現実の状況)を考慮して受け入れ方を説いてる気がする。

僕らは生まれたときから、国家・イデオロギー・法律みたいな前提条件がめちゃくちゃあって、今やそういう条件を無視した哲学ってのは受け入れるのが難しくなった。社会学はそういう迷える僕らへの現実解なんだ。中学生にも教えると良さそう。

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