コンサルにせよSIにせよ、問題解決を商売にしていると常々考えている。その意味では、前職(SI)で培ったことは現職(コンサル)においても通ずるものがあって、自分の能力を発揮することでちっぽけながら社会の歯車らしく振舞えているのかなと思っている。
しかしながら、前職と現職で明らかに違うのは、解決方法の裏どりの仕方。
前職では、自分の腕(仲間の腕)がすべてだった。簡単に言えば、問題・課題はすべてコーディング(プログラム)で解決してきた。これは大変なように見えて、逆に言えばどんな状況でも、「こうやればうまくいく」「こう書けば解決する」という、もうそれだけのシンプルな世界だった。
現職では、扱う問題そのものが大きくなったということも相まってか、たかだか自分の腕で解決するものはなくて、(もしそうだったとしてもそれを求められてはおらず、)製品調査や組織の知見をもって一旦裏付けるということが先立つ仕事なのである。
無論、取り組むフェーズが違うという点もあるが、試して失敗してという小さなトライアンドエラーを繰り返すことで答え合わせをしてきた自分にとっては、コンサルだけやって実現性をこの目で見ないということには今後時間をかけて慣れていく必要があると感じている。
そんな話を身近な先輩に持ち掛けてみたら、(その人は大手外資系コンサルを渡り歩いてきたような人)「コンサルが実現性を語ったらダメ」という考えだった。真逆の価値観に天地がひっくりかえる思いだった。それを考えるのは実行支援のフェーズであって、ビジョン策定はもっと形のないモノってことなんだと、一応頭では理解した。
この感じが、体で心で理解できるようになっていきたい。頭で理解したという感じではどうせまた忘れる。思い出すのに時間がかかる。体で反応できるくらい染み込ませていきたい。