三つ目の饅頭の罠

なんだ、最初からこうすればよかったんだ。
「いやいや、そんなに単純じゃない。この過程に意味があったんだ」
そう思えるようになった。

あるお寺の小僧が饅頭を1つ食べた。あれ、なんだか食べたりない。
2つ目の饅頭にも手を伸ばす。あれあれ、まだ足りない。
ついに3つ目の饅頭を食べる。満腹になってこう思う。
「なんだ、最初から3つ目の饅頭を食べればよかったんだ」

これまで自分の人生においても、「最初からこうすればよかった」と後悔することは多かった。それまでの経路やプロセスを後悔して、「最短距離はこうだった、次こそは」と悔い改める。そういうことを繰り返しては効率ってものを追求してた時期もあった。

しかしながら、最近おもふのは、そこに至る経路にも意味があったんだなということ。
たとえば今日の仕事。とある資料を数か月作ってきて関係者にプレゼンテーションするような場面だったわけだが、そこで初めて見えてきた方向性があった。
作り直しとまではいかないが、パーツを組み合わせて再構成するくらいの気合が必要だった。
以前の自分なら、最初からこの答えにたどり着くにはどうすべきだったのかと眠れぬ夜を過ごしたワケだが、なぜか昨日はプレゼン直後に「3つ目の饅頭」が頭に浮かんできた。

元来、こうしたポジティブさはあまり持ち合わせておらず、根は暗い・ネガティブ・石橋を叩いて渡るタイプなのだが、たぶんこの年齢になって初めて学習したんじゃないかと思う。
プロセスには意味があったのだと。自分の過去が間違っていたわけじゃないと。

もしこれが定着したら、人生随分ラクになりそうな気がする。

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