コミュニケーション能力

っていったい何なのか。

ぼくが初めてこの言葉と出会ったのは、大学生のときだったと思う。
もちろんそれ以前も見聞きしたと思うが、自分の辞書に取り入れられたという意味では、やっぱり大学生の頃だろう。

そのときはこの言葉の定義を、「誰とでもすぐに打ち解けられる」「人見知りせず話しかけることができる」という意味で捉えており、想像するのはもっぱら陽キャ・リア充大学生だった。

いつしかこの言葉は「コミュ力」と省略されて用いられることが多くなった。やがて世間は、いつも陽気で明るい人を「コミュ力モンスター」とか「コミュ力おばけ」と呼んだ。
どうやら自分の解釈も間違っていなかった。なるほど、そういう能力が必要なんだなと理解はより定着した。

ところが3年くらい仕事をしたら、こうした能力はさほど重要ではないと気づいた。
無駄な会話はコストだからだ。いわゆるコミュ力で人の懐に入ることがいかに上手でも、手続き(会話)の回数が多い人との仕事で生産性を発揮することは難しい。

何度も無駄なラリーをして認識を合わせるより、正確無比に矢を射るような一発の質問で認識を合わせる人のほうが、ビジネスシーンにおいてはコミュ力が高いと言えそうだ。コミュニーケーションの目的は究極的には「伝える」ことにあって、「打ち解ける」ことじゃない。おしゃべりは手段に過ぎないからだ。

要は、話をつけるのが早い人が好まれる。どちらも大事だけど、ハイコンテクストなコミュニケーションに甘えないのも大事だよねと。

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