黒い司法 0%からの奇跡(2020, アメリカ)

ハーバードロースクールを卒業し弁護士となったブライアン。引く手あまたの秀才だが、自身の生い立ちや過去の経験から北部の田舎のアラバマ州で死刑囚専門の弁護士事務所を設立して、主に黒人向けの冤罪事件に立ち向かう。

そのアラバマ州で殺人容疑で収監されたマクミリアン。無実の罪を着せられ死刑囚。全く証拠らしい証拠がないにもかかわらず、検察側に操られた1人の証言で有罪判決。すでに何人かの州弁護士に助けを求めてきたが、どいつもこいつも役立たずという感じで、弁護士に対しては完全なる諦めの態度。

粘り強く対応するブライアンに心を許し、二人三脚の再審請求が始まる。家族や仲間のささえもあって、唯一の証言者であるマイヤーズから、「あれは検察に強制された偽装証言だ」との確証を取る。

再審請求では検察側の裏工作が1枚上手だったのか、検察側の主張を認める形で決着してしまうものの、ブライアンはマスコミを使って世論を扇動。最高裁にて再審請求が通る。
ここで検察側は起訴請求を棄却。無実を勝ち取るのだった。

最後まで楽しめた。キング牧師が撒いた種は今もいろんな人の心に生き続けてるんだなと思う。自分調べによれば、アフリカ系アメリカ人の冤罪率は白人のそれと比べると今なお7倍ほど高いらしい。無抵抗の黒人を警官が発砲したり袋叩きにしたりするニュースも何年かに一度は飛び込んでくる。我々に対するアジアヘイトも当たり前のようにある。

これはいつか完全になくなるのかと言えば、ノーだと思うんだよね。
「見た目で判断しない」ってことは不可能。見た目で判断するのは本能。
大事なのは、見た目で判断したとしても、なおそれが受け入れられなかったとしても、知らんぷりしておくというスキル。何でも受け入れるみたいな内なる寛容さとか人間力じゃなくて、完全にスキルだと思う。

今はアジア系・ヒスパニック系・アフリカ系の人口が増えてるので、多数派が逆転する日は近い。そのときどんな世界になるのでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA