ジェームズ・ランゲ説と情動の管理

悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい。
末梢起源説とも言う。外界の刺激が起源となって最終的に情動に作用しているとのこと。
「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しい」も良く用いられる例。

反して、中枢起源説は、身体反応と情動変化は同時に起こるというもの。
人の感情の正体を解明できていないため、どちらが正しいとも間違っているとも言えないらしい。

あまり深く考えたこともなかったのだが、自分のケースに当てはめてみるとそのときその瞬間に何が起源となったかはさして重要ではなく、「事後の感情の処理」のほうが重要だと考えているふしがある。
つまり、「悲しいから泣いた」のであろうと「泣いたから悲しい」のであろうと、その事実が事後のQOLにどう作用してくるのかが問題だと思う。

これを自分専用のノウハウとしてまとめておく。

1.ポジティブ方向の刺激・情動の管理
楽しい、うれしい、しあわせ、気持ちいい、満たされる、安心 といった肯定方向の刺激と情動の管理は、「感情を素直に」文章で残しておくのが良い。
小学生並みの表現で、「嬉しい、楽しい、しあわせ、気持ちいい、満たされた」と記録しておく。あとで読み返したときに、こうした素直な表現のほうが、当時のことを良く思い出せる。
前後の時系列や周囲の状況を含めて、見たまま・そのまま・感じたままを記録しておくのが良い。

2.ネガティブ方向の刺激・情動の管理
悲しい、つらい、寂しい、怖い、憎い といった否定方向の刺激と情動の管理は、「理屈を中心に」文章で残しておくのが良い。
自分の感情は抜きにして、徹底的に合理的でメタ的な視点で書く。あとで見返したときに、「確かに」と強い納得感が得られる。
たとえば、合理性なら「これからどうするかが大事」といった解釈、メタ性なら「地球の歴史から見れば俺の人生は一瞬だ」といった解釈。
もちろんその執筆している瞬間は、心は晴れやかではなくモヤモヤしているはずなんだが、あえてそうした負の感情は、合理やメタで打ち消していく。

1も2も、これまで無意識にそうしてきたと思うのだが、今回深堀したことで自分の生態がほんの少し理解できた気がする。今後は意識して取り組みたい。

一般的に日記ってやつは、良いことも悪いことも感情を吐露するように書くことで気持ちがすっきりするらしいのだが、見返すことを考えるとネガティブ方向の刺激や情動については、ジェームズランゲ説がいささか効きすぎると思う。自分にとっての問題はその「管理」にあって、「起源」ではない。

もしそうであれば、未来の自分を助ける方向に投資するほうが圧倒的にQOL向上につながる。

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