この事例にとどまらず、産業構造全体の話。
末端の作業をする人、今回で言えば執筆作業をする人が詳しい人でないと、こうなってしまう。
こういうのは、今後増えてくるかもしれないと予想してる。
どこの企業も正社員を抱えるってのは大変だ。2億円の40年ローン。業績の浮き沈みが激しいなかでこの先40年の毎月固定の給与支払い債務なんかそうそう負えない。
必然的に小さく回転させるために外注や業務委託が増えてくる。委託先も同じわけだから、二重三重の下請け構造になってくる。
末端の作業をする人は、「橋を作るのか道路を作るのかビルを建てるのか、何だかよくわからないけどとりあえず今日も釘を打っときます」みたいな状況。
もちろんチェック機能が働いてないという問題もある。だがチェックというのはやはり機能に過ぎず、機能がそれより上位の構造をカバーするのは効率が悪いことは言うまでもない。
それは、「整理整頓されてなくても毎日場所を点呼しておけば大丈夫でしょ?」と言ってるようなもの。
いやいや整理整頓しましょうよと。
一方ではDAOとかいう上下関係のないゆるやかなプロジェクト組織が注目されてるが、一定以上の規模で統制できるのか懐疑的ではある。30人程度ならイメージできるが、500人をそれで統制できるかといえば難しいだろう。その点上下関係による指揮命令系統ってのは一応は良い仕組みだと思ってる。
脱線したが、こうした委託先会社の品質問題は実は至るところでボヤみたいなことは起きていて、このニュースは氷山の一角って感じです。
本来は末端に行けば行くほど、専門性の高い作業者である必要がある。そのためには、お得意様や地元取引といった枠組みは積極的にぶっ壊して、地理や過去に縛られずに会社同士がつながれるようになるとよい。
法人版クラウドワークスみたいな仕組みかな?もちろん個人への委託もどんどんやればいい。