『じんかん』

終始臨場感があってめちゃくちゃ面白かった。
自分は地域柄、上杉・武田のことは多少なりとも見聞きするわけだが、今まで全く知らなかった阿波の三好家のことが好きになった。
それでもって、元長・新五郎・九兵衛(松永久秀)のようなメタ的な考えを持つ人がやっぱり好きだ。

武家社会が終わったように、いつか労働もなくなるんじゃないかと思う。
500年前の武家社会のときって、「人が人を斬るのは当たり前」「命令されたら特攻するのは当たり前」「弱き者から奪うのは当たり前」だったわけで、特に疑問を持つことはなかったと思うんだ。今となっちゃ狂った世界だとわかるけど、当時それに気づいていたのはそのメタ的な人達だけ。

今の労働に対する考え方もほぼ同じだと思う。それが武家社会ではなくて資本主義社会に置き換わっただけで「8時間でも10時間でも働くのは当たり前」「自分は間違ってると思っても上司の指示に従うのは当たり前」「一部の金持ちが貧乏から搾取するのが当たり前」、ほらやっぱり同じ。

だから、段々と時間をかけて、労働も終わりに近づいていくんだね。
俺たちが武家社会の描写を「地獄やんけ」と遠目に見るのと同じように、未来人は「勤労の義務」という憲法があったことを知って「うわぁ、1日8時間労働だって」と驚愕しているに違いない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA