バイク人口が増えた理由

2つあると思う。1つはリターンライダー。
1980年代のバイクブームを謳歌していた人たちが、大人(おじさん)になって帰ってきた。
少しのお金と時間を手に入れて、心はあの頃のまま見た目だけしわしわになって帰ってきた。
一言余計か。

もう1つは、バイク乗りがアウトロー扱いではなくなったこと。この影響が大きいと思う。
自分もそうだったんだが、どうしても「バイク=不良」というイメージがつきまとう。暴走族が典型的な不良だし、そうでなくともあえて危険な乗り物に乗って命を削っているバカと見られがち。

ところが最近は芸能人や女性のユーチューバーによる「バイクが趣味」発信が多くなってきて、「危険な乗り物」「不良」のイメージは徐々にだが確実に薄まってきた。
それを機会とばかりにメーカーや販売店は、次から次へと施策を打っている。
たとえば、女性向けにシートが低く乗りやすい新製品、インカムやカメラ等の周辺デバイスの充実、デザイン性と安全性を両立した服飾等。最近は服飾大手ワークマンがバイカー向けに展開し始め、その効果も大きい。数年前までライダースジャケットといえば、暑くて重くてゴリゴリの男がターゲットで一度買ったら何年も着る高価なものばかりだったが、最近は通気性良く安価で安全でデザイン性に優れたものがたくさんある。

ところで、国の発展度合いと主要な乗り物のレベルというのは相関しているらしく、中国やインドは、自転車→バイク→車とわかりやすい変遷をしてきた。東南アジアは今まさに原付やバイクであふれかえっていて、このあと車になっていくんだろうか。
日本人は今便利が飽和していて、キャンプや登山といった「不便を楽しむ」趣味が増えていることも踏まえると、「バイクという旧態の不便」を楽しむ人が増えているのは納得だ。

自分はといえば、若いころは「あれに乗ったら不良だ」と遠ざけていたステレオタイプだが、30歳を過ぎた頃に思い付きで免許をとっちまったら楽しくて乗るようになった、一応は「最近側」の人だ。それでも若い人や女性が乗っていると、認められた気がしてうれしい。

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