もっともらしいことを言う天才集団

やらないよりやったほうがいい。連絡した方がいい、記録した方がいい、あいさつした方がいい、返信したほうがいい、伝えた方がいい、確認した方がいい。

気持ちはわかるが、仕事は「やるべきこと」と「やらなくていいこと」だけにしよう。
「○○したほうがいい」なんてことは言い始めたらきりがない。
やらないよりやったほうがいいことは誰でもわかってる。ただそれを「やる」か「やらない」かを決めることが仕事だから。

得てしてこういうもっともらしい表現を多用する人は頑張り屋さんで有能と見られ、やらなくていいと切り捨てていく人のことは怠け者で無能と見られる。だから、組織は「もっともらしいことを言う天才集団」になっていく。
この天才集団たちの仕事は、だんだんと遅くなる。意思決定が遅い、正解がわかるまで動けない、できるだけ結論を出さない、長年の経験で考えるフリをするのが上手なので上層部から見るとやっぱり頼りになる存在なのである。

業績が順調だったらそれでもいいのかもしれない。黙ってても伸びる業界やタイミングってのはあるだろうから、自動運転モードのように何もしなくても勝手に進むと。
だけど、難しい局面ではやっぱり運転者が取り回ししないとだめだ。
普段から自分の意思決定で運転していないと、アクセルの感じとかブレーキのタイミングとか、わからなくなってくる。これが勘が鈍るってやつだ。

そういった仕事の感覚が錆びるみたいなことって、実際あると思う。
日頃の意思決定を適当にしてると、そこに至った道を覚えてない。そうすると、経路依存的な問題に対して判断する材料がない。で、また先延ばしにする。するとさらに難しい問題が来るといった負の連鎖。
だから、最初から怠けずに、所与のなかで仮説をたてて決定しないといけない。そうしたら、それが仮に失敗でも「積み重ね」が始まる。そういう動きをしていきたい。

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