子供のころ考えていた大人

小学生の頃、大人ってのはパーフェクトだと思っていた。
世の中の真理を知っていて、たいてい何でも経験していて、いつも社交的で良い人間関係にあふれていて、自分もあんな立派になれるんだろうかと不安だった。

小学高学年~中学生になると、大人も人間だと理解していた。失敗もするし、ごまかしもする。だけれども、当時の自分からしたら、圧倒的にうらやましいと見えていた面があって、それは人間関係。面倒な友達関係とか恋愛関係とか、大人になればそういうのがなくなると思っていた。

高校生になると、自分と大人の区別は段々となくなっていった。成長したというよりも、関わる大人が減ったせいかもしれない。もちろん親には依存していたが、それ以外の大人に何かを助けてもらうことはなくなった。それでも高校の先生は基本的に尊敬していた。ほんの一部そう思えない方もいたが。

そして今、35歳の自分は全然だめだ。小学生の頃見ていた大人像ではない。
世界のことは知らないことだらけ、面倒な人間関係に翻弄され、誰から尊敬されているわけでもない。
周囲の人間も似たようなもので、挨拶ができない大人、他者に攻撃的な大人、いつも不機嫌な大人、小学生レベルの教養がない大人、人前でも不潔な大人、何でも周りのせいにする大人。こんな大人ばかり。

子供のころの自分が知ったら、じゃあ大人と子供の違いって何なの?と絶望しているに違いない。

この歳になって思うのは、大人が大人たるゆえんは、自らの力不足や不出来を認め、それでもなお前進することを良しとし、子供にその両方を教えていくことだと思う。
もっと簡単に言えば、前半部は「嘘をつかないこと」、後半部は「諦めないこと」
そうした姿勢が、教育の第一歩って感じがする。

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