「人手不足」禁句の畏怖

「人手不足」って言うと、「思考停止している」らしいんだ。
さまざまな試行錯誤を積み上げて今があって、現場の最前線で働くエンジニアが「今、人手不足で困ってます」と言ってるのを、「それはお前らが考えないからだ」と言う。

さて、自分のような未熟者にはこの結末が良い方向に向かうとは思えない。
「思考停止だ」と決めつけて現場の意見を毎回切り捨てる側の人間のほうが、思考が停止していやしないかなと心配になる。

そうやってボトムアップで上がってくる貴重な意見に耳を傾けることもなく握りつぶしていると、短期的にはコストを抑えて業績を向上できたとしても、その後は果たしてどうなるだろう。
次第に組織は機能しなくなり、それは現場が卑屈になっているという意味ではなく、「忙しいと言ってはいけない」「できなくてもやり続けるのが当然」「自分達で解決しないといけない」という心理になる。
次第に上意下達が崩壊し、現場を把握できないお花畑リーダーが誕生してズレた指示が横行し、従ったところでズレてるもんだからサービスの失敗が増え、やがてまた「お前らが思考停止している」のループになる。

「人手不足とだけは言うな、それを解決するのがお前らだ」的な畏怖が蔓延し、やがて誰も何も進言しない組織になっていく。部下の話に迎合しろって話でもなくて、「今まさにそこで起きている問題」に向き合おうって話。